一見効率的に見えるこの食習慣ですが、実は歯や口の中にとって、大きなリスクを抱えています。今回は、ながら食べが引き起こす“5つの見逃せない影響”について、歯科の視点から詳しく解説します。
食事のたびに、私たちの口の中では酸が発生します。この酸が歯の表面を一時的に溶かしますが、本来は唾液の力で中和されて修復されます。
しかし、間をおかずに何かを食べ続ける“だらだら食べ”状態になると、酸の影響がずっと続き、修復が追いつかなくなってしまいます。
結果として、虫歯のリスクが高まる原因になります。
ながら食べでは、注意が食事以外に向いているため、噛む回数が少なくなりがちです。
よく噛むことは唾液の分泌を促し、歯の表面を守る役割がありますが、その機能が十分に発揮されなくなってしまいます。
唾液が減ると、虫歯菌や歯周病菌の繁殖が進みやすくなります。
集中していない食事中は、知らず知らずのうちに片側の歯ばかり使っていたり、噛まずに飲み込む習慣がついてしまったりします。
こうした偏りのある咀嚼は、歯や歯ぐきに負担をかけ、炎症の原因にも。歯周病が進行しやすくなるきっかけにもなります。
ながら食べでは「食べている」という意識が薄れ、食事に対する満足感が得られにくくなります。
その結果、間食やつまみ食いの回数が増え、口の中が常に食べ物で満たされた状態に。これは虫歯菌にとっては非常に都合のよい状態です。
“いつ食事が終わったのか”がはっきりしないと、歯磨きのタイミングも後回しになりがちです。
本来は食後30分以内のケアが理想ですが、だらだら食べによってその習慣が崩れてしまい、結果的に歯の健康を損ねてしまうことも。
● 食事時間を意識して区切る
食べ始めと終わりを明確にすることで、だらだら食べを防ぎやすくなります。
● テレビやスマホを見ながらの食事を控える
まずは「食べることに集中する時間」を意識して作ることが第一歩です。
● 糖分の少ない飲み物を選ぶ
甘い飲み物を常に口にするのは控え、水やお茶などで口の中をすっきりさせましょう。
● 食後の歯磨きを習慣づける
外出先ではマウスウォッシュや携帯用歯ブラシを活用して、歯のケアを欠かさないようにしましょう。
「ながら食べ」は、誰にでも起こりうる身近な習慣です。だからこそ、リスクを正しく知って、意識的に見直すことが大切です。
一口一口を丁寧に味わい、食事に集中することは、歯の健康を守るうえでの最も基本的なセルフケア。
忙しい日常の中でも、歯に優しい食べ方を選ぶことで、未来の自分の歯と笑顔を守ることにつながります。
医療法人隆歩会 あゆみ歯科クリニック京田辺同志社山手 院長 小木曽 新
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