こんにちは、あゆみ歯科クリニックの小木曽です。
◦舌の適切な位置とは?
舌は、口腔内のバランスを保つための重要な役割を果たします。正しい舌の位置は、舌先が上の前歯のすぐ裏にある「スポット」と呼ばれる部分に触れ、舌全体が上顎(口蓋)に密着している状態です。このポジションを維持することが、歯列の整合性や呼吸の質を大きく左右します。
舌が正しい位置にあると、気道が確保され、自然と鼻呼吸が促進されます。しかし、舌が下がると気道が狭まり、口呼吸が習慣化しやすくなります。
口呼吸のデメリット
口呼吸が続くと、口腔内が乾燥し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、口臭の原因にもなり得ます。さらに、口呼吸は睡眠時無呼吸症候群(SAS)を引き起こす可能性もあります。
鼻呼吸の重要性
鼻呼吸は空気を適切に加湿し、体内に取り込む際にフィルターとして機能します。これにより、酸素供給が効率的に行われ、集中力の向上や免疫力の強化が期待できます。
舌が適切な位置にないと、酸素摂取量が減少し、慢性的な疲労感や集中力の低下を引き起こします。正しい舌の位置を維持することは、睡眠の質を改善し、日中の活力を高めるために重要です。
舌が適切な位置にないと、以下のような歯並びの問題が発生する可能性があります。
出っ歯(上顎前突)
舌が前方に押し出されることで、上の前歯が外側に傾き、出っ歯の状態が進行します。
開咬(かいこう)
上下の前歯が噛み合わない開咬の状態は、舌が常に前方へ押し出される癖が原因であることが多いです。
歯列の狭窄や乱れ
舌の力が歯列全体に均等に作用しないと、歯が内側に倒れたり、歯間が狭くなったりして、歯並びが乱れる原因となります。
舌の位置が正しくない場合、矯正治療によって整えた歯列が再び乱れる「後戻り」が起こる可能性があります。治療後の歯並びを安定させるためにも、舌の位置を意識することが重要です。
舌の正しい位置を習得し維持するためには、以下のトレーニングが有効です。
ミューイング(Mewing)
イギリスの歯科医ジョン・ミュー博士が提唱したこの方法は、舌を上顎にしっかり押し付けた状態で鼻呼吸を行うトレーニングです。顔の骨格や歯並びを改善する効果が期待されます。
ガムトレーニング
無糖ガムを使用し、噛みながら舌を上顎に押し付けることで、舌の筋力を鍛え、正しい位置を習慣化できます。
タッピング練習
舌先をスポット部分に軽くタップする練習を行うことで、舌の正しい位置を身体が覚えやすくなります。
舌がリラックスしていることは確かに重要ですが、完全に下顎に落ち込んだ状態では口腔内のバランスが崩れます。正しい位置を保つことで、歯列と呼吸の健康を維持することができます。
矯正治療は歯列を整える効果的な手段ですが、舌の位置が改善されなければ、矯正後の歯並びが後戻りする可能性があります。治療後も舌の位置を正しく保つことが必要です。
舌の位置や歯並び、呼吸の問題に悩んでいる場合は、歯科医や矯正専門医に相談することをおすすめします。これらの専門家は、患者の具体的な状況に応じて、最適なトレーニング方法や治療プランを提供してくれます。また、舌の位置を改善することで得られる健康効果についても詳しくアドバイスを受けることができます。
舌の正しい位置を維持することは、歯並びの改善や呼吸機能の向上、さらには全身の健康に大きく寄与します。日常生活で舌の位置を意識する習慣を身につけ、必要に応じて専門家のアドバイスを受けながら、健やかな口腔環境を目指しましょう。
医療法人隆歩会 あゆみ歯科クリニック
院長 小木曽 新
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