こんにちは、あゆみ歯科クリニックの小木曽です。
歯を失うと、見た目の変化や噛む力の低下だけでなく、口腔全体の健康に影響を及ぼします。現代の歯科医療では、失った歯を補うために「部分入れ歯」や「インプラント」といった治療法があり、それぞれにメリットや特徴が異なります。本記事では、これら2つの治療法の違いと、それぞれが適しているケースについて詳しく解説し、最適な治療法を選ぶための知識をお届けします。
歯を失ったままにするとどうなる?影響とリスク
歯を失った状態をそのままにしておくと、以下のような口腔内や健康面でのリスクが生じます:
◦噛み合わせの悪化
欠けた歯のスペースに隣接する歯が傾いたり、噛み合わせが不安定になります。これにより、顎関節に負担がかかり、頭痛や肩こり、顎の痛みを引き起こすこともあります。
◦顔貌の変化と老化の進行
歯が欠けると、顎骨が時間とともに痩せていくため、顔全体の輪郭が変わりやすくなります。特に顎の骨が減ると、老けた印象になることも。
◦口腔内の衛生悪化
歯がないスペースには食べ物の残りやプラークが溜まりやすく、周りの歯がむし歯や歯周病にかかりやすくなります。口腔環境を健康に保つためには、欠けた歯を早めに補うことが推奨されます。
【部分入れ歯の特徴:取り外し可能で手軽に使用できる治療法】
部分入れ歯は、失われた歯の代わりに義歯を装着する方法で、隣の歯にワイヤーなどで固定し、必要に応じて取り外しが可能です。以下に、その治療過程と特徴を紹介します。
◦治療のプロセス
1.診察と口腔内の確認:歯科医が口腔内の健康状態を確認し、部分入れ歯が適しているかを判断します。
2.型取りと試着:患者の歯型を取り、それに基づいて義歯を製作します。製作した義歯が適切にフィットするか確認し、噛み合わせなどを調整します。
3.装着と最終調整:義歯を装着し、噛み合わせやフィット感を最終調整します。使用感や違和感がある場合は、再調整が可能です。
◦メリットとデメリット
メリット:
取り外しが可能で清潔に保ちやすい
保険が適用されることが多く、費用を抑えられる
必要に応じて部分的に義歯を追加することができ、柔軟性がある
デメリット:
天然歯に比べて噛む力が30〜40%低く、食事中に違和感を感じることがある
ワイヤー部分が見えることがあり、審美性に限界がある
支えとなる歯に負担がかかるため、将来的に歯がぐらつく可能性がある
【インプラントの特徴:強度と審美性に優れる治療法】
インプラントは、失われた歯の根を人工歯根(チタン製のピン)で代替し、その上に人工の歯を装着する治療法です。顎骨に固定されるため、安定性が高く、天然の歯に近い噛む力を得ることができます。
◦治療の流れ
1.事前診断と治療計画:インプラントを支える骨が十分か、全身の健康状態が問題ないかを確認します。骨が不足している場合には、骨移植などの準備が必要になる場合もあります。
2.インプラント埋入手術:局所麻酔を使用し、インプラントを顎骨に埋入する手術を行います。この後、インプラントと骨が結合するまで数ヶ月の治癒期間が必要です。
3.アバットメント装着と人工歯装着:治癒が確認された後、中間連結部分であるアバットメントを取り付け、人工歯を装着して完了です。
◦メリットとデメリット
メリット:
顎骨に直接固定されているため、天然の歯に近い強度で噛むことができる
審美性に優れ、見た目が自然である
隣の歯に影響を与えないため、健康な歯を守りやすい
デメリット:
外科的な手術が必要で、治療期間が長期化しやすい
自由診療で治療費が高額になる場合が多い
顎骨が健康であることが前提で、場合によっては適応できないケースもある
自分に合った治療法の選び方とポイント
歯を失った場合の治療法を選ぶには、以下のポイントを考慮すると効果的です:
◦見た目や使用感
審美性や天然の歯に近い感覚を重視するならインプラントが向いています。特に人前に立つ仕事や見た目にこだわる方にはおすすめです。
◦予算と治療費
部分入れ歯は保険適用が多いため費用が抑えられますが、インプラントは自由診療が一般的で高額です。長期的な投資として考えるか、初期費用を重視するかで選択肢が変わるでしょう。
◦口腔内と顎骨の状態
インプラントは顎骨の骨量が重要なため、事前にしっかりと検査し、インプラントに適しているかを確認します。顎骨が不足している場合、治療が複雑化することもあるため、事前の診断が必須です。
◦メンテナンスのしやすさ
部分入れ歯は取り外して清掃が可能ですが、インプラントは定期的な歯科メンテナンスが必要です。日常的なケアにかかる負担も考慮すると良いでしょう。
まとめ:治療法を決定する前に歯科医師と相談を
部分入れ歯とインプラントにはそれぞれの利点と欠点があり、ライフスタイルや口腔の健康状態によって選択が異なります。治療法を決定する前に、信頼できる歯科医院での診察と相談を受け、自分に合った最適な治療法を見つけましょう。歯を失った場合でも、適切な治療と日々のケアを続けることで、健康で快適な生活を保つことが可能です。
医療法人隆歩会 あゆみ歯科クリニック
院長 小木曽 新
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
午前 | ● | ● | ● | ─ | ● | ● | ─ |
午後 | ● | ● | ● | ─ | ● | ● | ─ |
午前:9:00~13:00
午後:14:00~18:00
※祝日がある週の木曜日は診療しております。
休診日:木曜・日曜・祝日