こんにちは、あゆみ歯科クリニックの小木曽です。
歯科医院は、治療時に器具が患者さんの口腔内に触れるため、他の医療施設に比べて院内感染リスクが高いとされています。治療時に血液や唾液が飛散し、それが感染症の原因となる細菌やウイルスを広げることもあります。したがって、歯科治療においては、徹底した滅菌、消毒、そして使い捨て器具の使用が欠かせません。ここでは、歯科医院での衛生管理と感染予防について詳しくご紹介します。知識を身につけることで、適切な衛生対策が行われている歯科医院を見極めるポイントになります。
1. 歯科治療の基本:感染リスクを徹底排除する「滅菌」
◦滅菌とは?治療器具の微生物を完全に死滅させるプロセス
滅菌とは、歯科治療に用いる器具に付着するウイルスや細菌などの微生物を完全に死滅させることで、感染リスクをゼロにするプロセスです。特に、タービン(歯を削る器具)やピンセット、ミラー、バキュームなどの器具は、患者さんの口腔内に直接触れるため、感染リスクが高くなります。このため、不十分な滅菌処理が行われた器具の使用は、院内感染の原因となることもあります。
◦歯科医院での滅菌方法と使用される機器
歯科医院では、高温と高圧を利用して微生物を完全に死滅させる高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)が主に使用されます。また、熱に弱い器具にはガス滅菌器が使用されるなど、器具の特性に合わせた滅菌方法が適用されています。滅菌後の器具は、再汚染を防ぐために滅菌用ラップで封をし、治療直前に開封される仕組みが整えられています。
◦滅菌が行われる器具の例
タービン:高速で回転し歯を削るため、唾液や血液が付着しやすい
ピンセットやミラー:治療中に口腔内に接触する器具
バキュームチップ:治療中に唾液や血液を吸引するため感染リスクが高い
2. 歯科医院での日常衛生管理:「消毒」の役割とその重要性
◦消毒とは?滅菌と異なる衛生対策で感染リスクを軽減
消毒は、細菌やウイルスの数を減らすことで感染リスクを軽減する方法です。滅菌とは異なり、完全に微生物を除去するわけではありませんが、治療台や待合室の椅子、ドアノブなど、患者さんが触れる全ての場所で頻繁に行われています。これにより、患者さん同士やスタッフ間での感染リスクが減少します。
◦歯科医院内での消毒が行われる場所と頻度
患者さんが直接触れる場所や頻繁に利用される部位は、治療後や利用後に毎回消毒が行われています。治療台や診療用テーブル、レントゲン機器のほか、トイレやドアノブなども定期的に消毒され、院内の感染リスクを最小限に保っています。
◦消毒の対象となる場所や器具の例
治療台や診療用テーブル:唾液や血液の飛散が見えないため、治療のたびに消毒
レントゲン・CT機器:触れる機会が多いため、使用ごとに消毒
待合室の椅子、スリッパ、手すり:共用物品のため、定期的に消毒が不可欠
トイレやドアノブ:細菌が集まりやすい箇所で、徹底的な消毒が求められる
3. 感染予防のための「使い捨て器具」のメリットと安全性
◦使い捨て器具とは?感染リスクを抑えるための重要な対策
歯科医院では、感染リスクの抑制と衛生管理の徹底のために、使い捨て器具(シングルユースアイテム)が活用されています。血液や唾液に触れる器具については、使い捨てのものを利用することで安全性が確保され、安心して治療が受けられます。
◦歯科で使用される使い捨て器具とその種類
使い捨て器具は、患者さんごとに新品を使用するため、器具の再利用による感染リスクがありません。ゴム手袋やマスクのほか、患者さんが使用する紙コップやエプロンも使い捨てのものが用いられ、衛生面が確保されています。
◦使い捨て器具の例
注射針やガーゼ:一度使用したら廃棄することで感染を防ぐ
ゴム手袋やマスク:患者ごとに新しいものを使用
紙コップ、エプロン:使い捨てされ、患者さん専用として清潔が保たれる
4. 再利用される器具の衛生管理とその徹底的な安全対策
◦再利用器具の管理と滅菌プロセス
歯科治療では、使い捨てが難しい再利用可能な器具も多く使用されています。しかし、これらの器具は、治療ごとに厳格な滅菌処理が施され、滅菌後は専用の滅菌パックで保管されています。治療の直前にパックを開封することで、再汚染のリスクが防がれています。
◦再利用器具の衛生管理における工夫と環境配慮
近年、多くの歯科医院では、環境にも配慮しながら滅菌や衛生管理に取り組んでいます。使い捨て器具の使用を減らし、エコに配慮した医療環境の実現を目指す歯科医院も増えています。こうした環境配慮型の取り組みは、院内感染防止と環境保護の両立を図り、患者さんにも安心感を提供します。
5. 安全な歯科医院を見極めるためのチェックポイント
◦院内感染予防に注力する歯科医院を選ぶ方法
信頼できる歯科医院を選ぶためには、院内感染予防の取り組みについて事前に確認することが大切です。歯科医院のホームページやパンフレットで、「滅菌処理」「消毒」「使い捨て器具」に関する情報が掲載されているかどうかをチェックしましょう。来院時には、滅菌用ラップや滅菌パックに入れられた治療器具があるかどうかも確認でき、医院の衛生管理体制を見極める参考になります。
まとめ:歯科治療における院内感染対策の重要性と患者ができる選択
歯科治療での院内感染リスクを防ぎ、患者さんが安心して治療を受けられる環境を整えるために、歯科医院では滅菌・消毒・使い捨て器具の活用、そして再利用器具の衛生管理が徹底されています。これらの知識を持つことで、衛生管理が行き届いた歯科医院を選び、安全で安心な治療を受けることが可能です。
医療法人隆歩会 あゆみ歯科クリニック
院長 小木曽 新
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